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セレノネイン

セレノレインとは?

2010年に国の独立行政法人 水産総合研究センター(現、国立研究法人水産研究・教育機構)の山下倫明博士、山下由美子博士によって発見された新規化合物質(特許5669056号)で、魚類に含まれる有機セレン化合物です。希少なアミノ酸誘導体の一種で強力な抗酸化作用のある天然物質・エルゴチオネインのチオケトン基がセレノケトン基に置き換わったイミダゾール化合物であり、特にマグロ類、カジキ類、サバ類などの回遊魚の血合筋や血液に多く含まれる物質です。

セレノレイン

セレノレイン

東日本大震災時設備状況

東日本大震災設備状況

セレノレインに使用する原料

セレノネインの含有量が高い魚はカツオやサバ、クロマグロなどであり、多くが回遊魚です。カツオは、餌を求めて暖流「黒潮」に乗って北上し、6~7月頃に三陸沿岸を通過します(のぼりガツオ)。その後、豊富な餌を求めてさらに北方に移動したあと、南下し、再び9~11月頃三陸沿岸を通過します(戻りガツオ)。カツオの遊泳最高時速は60㎞にも達し、移動距離は1日に200㎞にも及ぶとも言われています。 サバ、クロマグロなどもカツオとおおよそ似た回遊生活を行っています。

クロマグロの遊泳速度はカツオを超えて時速80kmにも達します。いずれの魚も紡錘形であり、浮力を得にくい形状をしています。静止していると海中に沈むため、昼夜問わず常に泳ぎ続けると言われています。このような高い運動能力が備わっている回遊魚の様々な生物機能が調べられ、セレノネインもその能力を支えていることがわかってきました。
弊社陸前高田工場の立地する地域は、特にマグロ、カツオの水揚げが国内でもトップクラスであり加工も行われているので原料調達の意味でも優位であるといえます。

 ※ セレノネインの原料はこれら魚種の可食部外の内臓や血液等を使用しています 。
セレノレイン(セレン)の生物機能性(※培養細胞と魚、マウス試験で確認)

◆酸化により生成するラジカルを消去し反応を抑制(M.Yamashita and Y amashita,2015)
酸化により生成するラジカルを消去して、さらに連鎖的に起こる酸化を抑制します 。
◆酸化ストレス耐性向上させる (特許5669056号)
セレノネインを培養細胞に投与すると、化学的にストレスを与えても増殖能力が落ちず保たれます。
◆メチル水銀の無機化と排出による解毒作用(山下,2011)
メチル水銀を取り込み無毒化します 。
◆ACE阻害作用 (Seko et al. 2019)
血圧を上昇させる酵素「アンジオテンシン」の作用を阻害し、血圧上昇を抑制する効果が期待できます 。
◆チロシナーゼ阻害によるメラニン合成阻害作用(Seko et al. 2020)
黒いしみの元であるメラニンを合成する培養細胞にセレノネインを添加すると、メラニンの合成量が抑制します 。
◆大腸ガン予防作用(Masuda et al., 2018)
大腸がんの予防効果として、大腸がんを誘発させたマウスにセレノネインを飼料に添加すると、癌の数は抑えられます 。
◆酸欠ストレスへの耐性向上が期待!?(M Yamashita and Y Yamashita ,2015)
ブリに3週間セレノネインを添加した飼料で飼育し、その血液中のヘモグロビンの酸素解離の状態から、低酸素状態で酸素供給量が高まることが示され、酸欠ストレスへの耐性向上が期待できます。
◆活性酸素の低下、酸化で起こる肉色の変化(褐変)の抑制(山下ら,2013)
養殖ハマチの静脈からセレノネインを取り込ませると、血漿中の活性酸素が低下し、酸化で起こる刺身の褐変が抑えられることが明らかになっています。

等々 生活習慣病にも効果が期待されていいます!

※セレノネインは、優れた抗酸化能を有したエルゴチオネインの1000倍、ビタミンE(トロロックス™)の約500倍のラジカル消去活性がありました。

繰り返しますが、これらの効果は実験室レベル、すなわち化学反応や培養細胞、動物実験による結果であり、ヒトに対する効果を検証する必要がある段階のものです。これらの検証が行われ、健康食品や医薬品として、確固たる地位が確立されていくことが今後期待されます。

セネノネインエキス(カツオ由来)分析値

項目分析値
エネルギー 105.8kcal
水分69.8g
たんぱく24.0g
脂肪0.2g
灰分4.0g
炭水化物2.0g
食塩相当2.2g
項目分析値
セレノレイン3.6μgSe/g
ヒ素(Asとして)4.1ppm
検出せず
カドミウム0.16ppm
総水銀0.01ppm
無機ヒ素検出せず
セシウム-137検出せず
セシウム-134検出せず
ヨウ素-131検出せず